教科書的に悪い歯は抜歯するべきか?
あなたにとって、歯科受診で最も恐怖なのは歯を抜かれてしまう事ではないですか?
その前に、痛いのではないか?怖い。高額な費用が必要か?など、色々あるとは思いますが。
歯科大学では、教科書的に保存困難(残す事が難しい)な歯は抜歯して、
ブリッジや入れ歯、インプラントにするのが正しいと教育を受けます。
教科書に書いてあり、歯科大の定期試験でも抜歯を選ばないとバツになります。
歯科医師国家試験でも同様です。
つまり、保存困難な歯を抜く事は正しい選択ですし、実行した歯科医師は
正しい治療をした事になりますし、実際として実行されています。
しかーし、保存困難でも、あまり噛めなくても、絶対に抜かなければならない
と言う決まりはありません。
抜歯して教科書通りにブリッジ等にした方が良いのかも知れません。
でもね・・・。
グラグラしているが、なんとなく噛めている。
限界まで頑張ってからじゃないと入れ歯にしたくない。
そう思う患者さんもいるハズです。
当院では抜歯は最終手段であり、歯科医師が抜歯を実行する事は
医師なら患者さんの死を受け入れる事と同じだと考えています。
故に、保存困難な歯の延命のために毎月メンテナンスに来る方も多く、
数年単位で抜歯を逃れているケースも多いです。
さすがに、どうにもこうにも不可能な場合は患者さんにお伝えはしますが
実行するかどうかは患者さんの意思を尊重します。
中には毎月のメンテナンスより抜歯を希望される方もいます。
また、10年メンテナンスして限界を迎え、患者さん希望で抜歯を実行する事もあります。
あるいは、初診時にはもう当院でもどうする事も出来ない場合もあります。
しかし、先ずは残す努力をすべきではないでしょうか。
教科書的にはダメでも健常時より噛めなくても、無理に抜いて
ブリッジや義歯にするのは如何なものでしょう。
注:当院では他院で抜歯と言われた歯を100%残す技術がある訳ではありません。
どうしても必要なら抜歯の提案もします。
要は患者さんに対する歯科医師側の心の姿勢の問題なんですよ。
正しい事をしたんだからこれでいいんだ!じゃ寂しくないですか?
ダメ元でも、先ずは頑張ってみましょうよ。
抜きたくない場合は、「抜きたくない!」と言ってくださいね。
当院に任せていると、患者さんの求めがあるまで、なかなか抜歯しませんよ。
それが、正しいのか誤っているのかは分かりませんが。。。